Obsidian を考え直すかもしれない件

少し前に Obsidian と出会ってからというもの、求めていたものすぎてずっと使っていたのですが、ふと最近「本当に Obsidian でいいのか? (使いやすいのか?) 」と思い直す機会があったので、今直面している問題を書き出してみます。

ややメモ書き寄りで、疑問をまとめているので結論が出たわけではありません。

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🔵Markdownが不便すぎる
これ。
Markdown(以下MD)記法そのものがダルい。
ヘッダーや箇条書きのネスト、その他諸々のスタイリングができるリッチコンテンツとして運用したくて使い始めたものの、やはりMDの宿命でいちいち記法を考えないといけないのはストレス。かといってワードパッドでrtfを書きたいわけでも(あまりにもオシャレじゃなさすぎる)、Word の日本語環境のひどさに付き合いたいわけでもない。
MD記法のややこしさについては、次の項にも関わってくる。
実はこのMDのややこしさについては、MDの発案者自身もHTMLの代替としてしか考えておらず、自身はWebサイトの作成にしか使っていないと聞いて納得。

🔵WYSIWYGが中途半端

自分はヘッダーや太字、表組みや画像のインライン表示などリッチコンテンツの部分や Obsidian ならではの Indexing、ファイルマネージャーとしての機能が便利に思っていたが、#や*、<>などをいちいちタグとして認識するため、これらを普通の文字として使えなくなってしまう。
Obsidian は WYSIWYG(見たものをそのままいじれる:What You See Is What You Get)なエディタなので、MDの弱点であった「MDという仕組みそのものが煩わしい」という点をなんとかできるだろうと思っていたが、下手にMD記法をWYSIWYGの状態で認識してしまうせいでエディタとプレビューが混在するような形になってしまい、結果的に相当めんどくさいことになっていることに気づいた。

🔵重い
立ち上げに時間がかかり、結局いいプラグインがあっても無効化することが多かった。
また、Obsidian ならプロジェクトの親フォルダごとまとめて管理できそうだと思ったが、一定条件下で極端に重くなるラインがあり断念。結局用途ごとに Vault をいちいち切り替えなければならず、じゃあ別に Obsidian じゃなくていいんじゃないか?と思った。

🔵改行コードがデフォでLF
元々CRLFであってもなぜかLFで保存しやがるため、Windows ほかマルチプラットフォームが当たり前の環境では非常に不便。もしかしたらバグかも?

🔵ネットワーク切断に弱い
自分はNAS上の Vault を Obsidian で読んでいるのだが、とにかく Obsidian はネットワークの切断に弱い。ネットワークの品質のことを言っているのではなく、ログインログオフやスリープ休止状態などでの一時的な切断であっても開いているファイルがすべて閉じられ、Vault 管理画面に移行するのは非常にストレス。
せっかくいい配置だったウィンドウがリセットされ、余計なことを考えなくてはならない。

🔵Github と互換性がない
一部のMDルールについて Github の Readme と互換がなく、おそらくMDがもっとも活躍し必要とされている場所と見た目や機能が合わないというのは致命的だと感じた。
また、Github の Readme については、実は Visual Studio にMDエディタが統合されておりそっちのほうが良いことを知った。WYSIWYGではなくプレビューは分かれてしまうがGitへのコミットのやりやすさやそのままVSでコードと一緒に編集できることなどいいことずくめだった。

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また、自分もいち開発者として Obsidian を見ながら改めて感じたこともある。

💡 マルチプラットフォームは必須ではない。というかマルチ展開して犠牲にするよりネイティブパフォーマンスを追求したほうがいい
昔はマルチプラットフォーム(マルチPF)は重要だと思っていた。しかしぶっちゃけ最近はほぼ Windows しか使っていない。
開発用にMacも持っているがM1移行のタイミングでネットワークまわりがいよいよダメになり仮想マシンもヘビーなカスタムもできなくなり、そうこうしているうちに Docker や WSL が Windows でも動き、最近の生成AIのローカル稼働は NVIDIA GPU が使える Windows が強すぎてますます Windows 一択になってきた。
AI、動画、3DCG、Surfaceシリーズ、Visual Studio、ハードウェア拡張性、安定した高速ネットワーク……どれも今のMacでは無い物すぎて、もはやMacですらものづくりの道具ではなく消費する側になってしまった気がする。
iPadはサードパーティーの外部キーボードが日本語配列を使えず(そもそもiOSは文字入力全般が死んでいる)、マルチウィンドウ機能も来るが Finder に匹敵するファイルマネージャーがない(作れない)し、ブラウザも標準の Safari 以外を作れずその Safari も微妙。
店頭のレジ用途以外では Apple Pencil によるイラストが優れているものの、本サイトでも取り上げる Clip Studio Paint はiPadではサブスクリプションしかない。
さらに結局書き味やジッターの問題があり Wacom 系に戻ってくるのがオチで、そうなると本当にiPadを起動することはない。
一方で Surface は Windows がそのまま動くので PowerPoint だろうが Photoshop だろうが動く。あと最近の Surface はスペックが高く Pro 8 の Core i7 以降なら普通に After Effects も Blender もそこそこ動かすことができる。
昔のビボーログではよくMac系の記事を書いたりしていたのが懐かしい。
カラフルなスケルトンのMacの時代から知っている身としては、シェルの美しさはまだAppleのほうが上だが、それも Windows のフォントさえなんとかなれば今度こそ本当に何も残らないとさえ思っている。
煽り抜きで今Macを使っている人に、なぜMacを選んだのか聞きたい。ブランドバッグのようなものだろうか??

唯一 Android は外部ディスプレイも Bluetooth デバイスも難なくいけてOSのデザインは iOS よりも使いやすく、もし自分でも使う用に開発するなら、自分だったら Android とのマルチにする。
ただ、結局スマートフォンはメモができればそれでよく、スマートフォンがクリエイティブデバイスになるか?という点については画面サイズと入力の貧弱さが足かせになったまま、2025年になっても何も世界は変わらなかった。
ただ、SMB接続やリモートデスクトップなど深い機能へのアクセスがApple系と比べて圧倒的に簡単で、Pixel勢をはじめとしたAI機能など今後を考えるとマルチPF対応するならアリ。

ということで、マルチプラットフォーム対応は必ずしも必要ではないと感じた。どちらかというと、「Windows に対応しているか?」が重要だと感じた。
(ちなみに Obsidian からは脱線するが上記を踏まえると、私がソシャゲを作るならまず iOS を選ぶ。理由はお分かりだろう。)

💡日本語対応は必須
日本人なので……当たり前ではあるのだが、日本語対応は必須だ。
ただここでいう「対応」というのは、UIを日本語化することではない。もちろんそうすることで間口は広がるしそれでこそ、というのはあるのだが、海外勢、特に英語圏の開発者は2バイト文字の扱いに対してあまりにも無頓着すぎる。(というか今時どう実装してもUTF8で絵文字使う時点で必然的に対応せざるを得ないはずだが……)
実は Obsidian の前は Typora という別の WYSIWYG なMDエディタを使っていたのだが、こちらは謳い文句と違って日本語や絵文字が混在するとあまりよろしくない作りになっていて、しかも無料ではなく4000円弱もする。
Obsidian は元が中国系?らしく別に日本語に不自由するわけではないのだが、今後テキストボックスをゼロから作るなら日本語はもちろん、ベースラインやリガチャなど文字関係の処理の基本はおさえておきたいと感じた。

💡軽さは重要
Obsidian でも MS Teams でも何でもいいが、やはり Electron 製で Chromium が中で動いているようなブラウザベースのアプリの宿命なのか、重い
デザインがかなり自由でマルチ対応も可能、Web版ももちろん簡単というのは確かに一見すると魅力的だが、別にゴリゴリの3DCGを動かしているわけでもないのにパフォーマンスが悪い(まあ、中身ブラウザなので……)のが気になる。

ちなみに、表に出していない開発したアプリに「Simple Picutre Viewer」というものがあり、公開している MANGA Bookshelf と同じくキャッシュ機能がある。
これがアホみたいに早く、レンダリングした連番画像をフレーム単位でチェックしたいときにめちゃくちゃ便利なので基本的に自分の端末にはすべて入れている。
個人的には Bookshelf はまだ少し遅いかな?と思っているが、それはあくまでメッシュネットワークも構築せずにほぼ別の建物というレベルの距離でWiFiのアンテナが1本まで減って安定してない状態で使っている自分のシチュエーションに問題があり、むしろそれであのパフォーマンスならやれることはやったのでは??とも思っているが……。とにかく、早いに越したことはないむしろハードウェアの性能が上がった分、高速さは如実に表れる部分かもしれない

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使っていくうちにもう少し増えるかもしれません。

もちろんどんなものにも「完璧」は存在しないということはわかっていますが、やはり譲れないものや「気付く」瞬間はあると思います。

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